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【公式】覚えておくべき有名な極限値のまとめ

極限 公式 自然対数


極限値は高校数学の中で最も難しい部類の単元の一つと言えるのではないかと思います。

極限値が難しい理由は以下の2点です。

  • 実際にそれを見ることができない
  • 直接的に計算できないことがある

直接的に計算できない極限値は、不等式を作り、はさみうちの原理を利用して求めるという方法が一般的です。

【極限】はさみうちの原理とその例題

ここで紹介する極限値は、知識として知っておかなければならないものですので、ぜひ覚えておきましょう。

三角関数の極限値

    \begin{eqnarray*} \displaystyle \lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = \displaystyle \lim_{x \to 0} \frac{x}{\sin x} = 1 \end{eqnarray*}

本記事で紹介している極限値のうち、最も使用頻度の高い重要な極限値です。

式の見た目は非常にシンプルで x0 に限りなく近くとき、 x\sin x は同じものであると見なせるということを主張しています。

一般的な証明のアプローチは面積の大小関係を用いたはさみうちによるものですが、証明はその方法を知っておかない限り思いつくことは難しいものです。

面積の大小関係ではさみうつというアプローチは、本極限値とは無関係にたびたび要求されるものですので、その基礎としてぜひ三角関数の極限の証明方法を学んでおきましょう。

【極限】三角関数の極限について

自然対数の底(ネイピア数)e

    \begin{eqnarray*} \lim_{h \to 0} (1+h)^{\frac{1}{h}} &=& e ~ \fallingdotseq 2.718 \\\\ \end{eqnarray*}

自然対数の底の値については公式というよりも定義となります。

対数関数の微分を求める際に \displaystyle \lim_{h \to 0} (1+h)^{\frac{1}{h}} という極限値の存在がどうしても必要となることにより、このような数 e が定義されています。

【微分】対数関数の微分の公式の証明

また (e^x)' = e^x が成り立ち、微分しても関数の形が変わらないという性質から e は微積分を考える上での基準値として非常に重要な意味を持つこととなります。

【微分】指数関数の微分の公式の証明

マスマスターの思考回路

指数関数の微分は、その逆関数である対数関数の微分が既知でないと求めることができません。
逆関数を利用しなければ求めることができないなんて、なんとも不思議な感覚になりますね。

人間側からの視点では指数関数の方が直感的に理解可能な自然なものですが、微分側からの視点では対数関数の方がむしろ自然なものであるということなのでしょう。

対数関数の極限値

対数関数の極限値

    \begin{eqnarray*} \displaystyle \lim_{x \to 0} \cfrac{\log (1+x)}{x} &=& 1 \\\\ \end{eqnarray*}

この式は自然対数の底 e の定義から導出され、指数関数の微分を求めることに応用されます。

【極限】対数関数の極限値

対数関数の発散速度

    \begin{eqnarray*} \lim_{x \to \infty} \cfrac{(\log x)^n}{x} &=& 0 \\\\ \end{eqnarray*}

無限遠では対数関数は多項式関数よりも非常に小さいということを意味しています。

【極限】対数関数の発散速度

指数関数の極限値

指数関数の極限値

    \begin{eqnarray*} \displaystyle \lim_{x \to 0} \frac{e^x -1}{x} &=& 1 \\\\  \end{eqnarray*}

この式は、 \displaystyle \lim_{x \to 0} \cfrac{\log (1+x)}{x} &=& 1 と本質的に同じものになります。

自然対数の底 e に関する極限値を指数関数の形で表すか、対数関数の形で表すかの違いとなります。

【極限】指数関数の極限値

指数関数の発散速度

    \begin{eqnarray*} \lim_{x \to \infty} \cfrac{x^n}{e^x} &=& 0 \\\\ \end{eqnarray*}

無限遠では指数関数は多項式関数よりも非常に大きいということを意味しています。

【極限】指数関数の発散速度

覚えておくべき有名な極限値のまとめのおわりに

いかがでしたか?

自然対数の底は約2.718なのですが、大まかには2と覚えておけば良いでしょう。

それは、例えば e^x という指数関数を考えたときに、底である e が1より大きいか小さいかでグラフの概形が変わってしまうからです。
少なくとも、2と覚えておけば単調に増加する概形であると判断することができますので、致命的な問題となることは少ないでしょう。

指数関数のグラフについてはこちらを参考にしてください。

【基礎】指数関数とそのグラフ

また、発散速度に関しては公式そのものよりも、数的感覚として身につけておくことが大事です。数的感覚を磨くことで場合によっては、ある関数の極限値を推測することができることもあるでしょう。

それに対し、三角関数の極限値は公式そのものを暗記しておいた方が良いです。
必要なときにすぐに使えるようにしておきましょう。

本記事で紹介した極限値は覚えておいた方がいいのですが、数学においては、なんでもかんでもそのまま覚えるというのは得策ではありません。

正しい公式との付き合い方については下の記事で詳しく説明していますので、ぜひこちらもご覧ください。

数学の公式は丸暗記しちゃダメ!公式は覚えるものではなく「証明」して作るものです

【数III】微分法のまとめ

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