公式

【数III】微分の公式のまとめ

微分は関数の増減を調べる場合等に使われます。
概形の不明な関数についても、微分を行うことによってその概形を知ることができます。

ここで紹介する各種公式の導出方法については、微分の定義の形である \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{f(x + h) -f(x)}{h} 意図的に作るように式変形を行うことがポイントとなります。

【微分】微分の定義とその意味について

これから紹介する公式は全て暗記することが前提ですが、一度は自分の手を動かして公式の証明をしておきましょう。

それでは各種公式の紹介とその証明を行っていきます。

積の微分

    \begin{eqnarray*} \left\{ f(x)g(x) \right\}' = f'(x)g(x) + f(x)g'(x) \end{eqnarray*}

【微分】積の微分の公式の証明

商の微分

    \begin{eqnarray*} \left\{ \cfrac{f(x)}{g(x)} \right\}' = \frac{f'(x)g(x) -f(x)g'(x)}{ \{g(x)\} ^2} \end{eqnarray*}

【微分】商の微分の公式の証明

合成関数の微分

y=f(u), ~u=g(x)で定義される関数y=f(g(x))について、

    \begin{eqnarray*} \left\{ f(g(x)) \right\}' &=& f'(g(x))g'(x) \\\\ \cfrac{dy}{dx} &=& \cfrac{dy}{du} \cdot \cfrac{du}{dx} \end{eqnarray*}

【微分】合成関数の微分の公式の証明

【微分】微分の表記法 | dy/dx

逆関数の微分

微分可能な関数 y=f(x) の逆関数が存在し微分可能であるとき、

    \begin{eqnarray*} \cfrac{dy}{dx} &=& \cfrac{1}{\cfrac{dx}{dy}} \\\\ \end{eqnarray*}

【微分】逆関数の微分の公式の証明と例題

三角関数の微分

    \begin{eqnarray*} (\sin x)' &=& \cos x \\\\ (\cos x)' &=& - \sin x \\\\ (\tan x)' &=& \cfrac{1}{\cos^2 x} \\\\ \end{eqnarray*}

【微分】三角関数の微分の公式の証明

指数関数の微分

    \begin{eqnarray*} (a^x)' &=& a^x\log a \\\\ \end{eqnarray*}

特に、底aが自然対数の底eのとき、

    \begin{eqnarray*} (e^x)' &=& e^x \\\\ \end{eqnarray*}

【微分】指数関数の微分の公式の証明

対数関数の微分

    \begin{eqnarray*} (\log_a x)' &=& \cfrac{1}{x\log a} \\\\ \end{eqnarray*}

特に、底aが自然対数の底eのとき、

    \begin{eqnarray*} (\log x)' &=& \cfrac{1}{x} \\\\ \end{eqnarray*}

【微分】対数関数の微分の公式の証明

微分の公式のまとめのおわりに

いかがでしたか?

各種公式の中でも特に重要なものは自然対数の底に関連する下の二つです。

    \begin{eqnarray*} (e^x)' &=& e^x \\\\ (\log x)' &=& \cfrac{1}{x} \\\\ \end{eqnarray*}

これらは大学で本格的に学ぶこととなる、微分方程式を解くために不可欠な公式になります。

指数関数や対数関数のような複雑な関数の微分が、非常に簡単な式で表せるということは何とも不思議であり、数学の面白さを感じさせられる公式ですね。

各種微分の公式をもとに行う積分計算は、今までとは比べ物にならないほど複雑になっていきます。

まずはこれら微分の公式をしっかり身につけておきましょう。

【数III】微分法のまとめ

プロフィール

-このサイトの記事を書いている人-

某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。

検索