解法

【東大の入試問題を解説!】2019年度入試 東京大学 前期日程 数学(理科) 第1問


2019年度東大入試第1問目を扱います。
それでは問題を見てみましょう。

2019年度入試 東京大学 前期日程 数学(理科) 第1問

マスマスターの思考回路

とりあえず展開してみましょう。

    \begin{eqnarray*} \int_0^1 x^2 + \cfrac{x^3}{(1+x^2)^{\frac{3}{2}}} + \cfrac{x}{\sqrt{1+x^2}} + \cfrac{x^2}{(1+x^2)^2} ~dx \\\\ \end{eqnarray*}

マスマスターの思考回路

各項ごとに積分を行っていきます。

    \begin{eqnarray*} \int_0^1 x^2 ~dx &=& \left[ \cfrac{x^3}{3} \right]_0^1 \\\\ &=& \cfrac{1}{3} \end{eqnarray*}

部分積分を利用して計算を行います。

    \begin{eqnarray*} \int_0^1 \cfrac{x^3}{(1+x^2)^{\frac{3}{2}}} ~dx &=& \int_0^1 x^3\{(1+x^2)^{-\frac{1}{2}} \}' \left(\cfrac{1}{-\frac{1}{2}} \right) \left( \cfrac{1}{2x} \right) ~dx \\\\ &=& -\int_0^1 x^2 \{(1+x^2)^{-\frac{1}{2}} \}' ~dx \\\\ &=& -\left[ [x^2(1+x^2)^{-\frac{1}{2}}]_0^1 -\int_0^1 2x(1+x^2)^{-\frac{1}{2} } ~dx \right]\\\\ &=& -[1 \cdot (2)^{-\frac{1}{2}}  - 0] + 2\int_0^1 x(1+x^2)^{-\frac{1}{2}} ~dx \\\\ &=& -\cfrac{1}{\sqrt{2}} + 2\int_0^1 x\{(1+x^2)^{\frac{1}{2}}\}' \left( \cfrac{1}{\frac{1}{2}} \right) \left( \cfrac{1}{2x} \right) ~dx \\\\ &=& -\cfrac{\sqrt{2}}{2} + 2\int_0^1 \{(1+x^2)^{\frac{1}{2}}\}' ~dx \\\\ &=& -\cfrac{\sqrt{2}}{2} + 2 \left[ (1+x^2)^{\frac{1}{2}} \right]_0^1 \\\\ &=& -\cfrac{\sqrt{2}}{2} + 2 (\sqrt{2}-1) \\\\ &=& -\cfrac{\sqrt{2}}{2} + 2\sqrt{2}-2 \\\\ &=& \cfrac{3\sqrt{2}}{2} -2 \\\\ \end{eqnarray*}

    \begin{eqnarray*} \int_0^1 \cfrac{x}{\sqrt{1+x^2}} ~dx &=& \int_0^1 x \{ (1+x^2)^{\frac{1}{2}} \}' (2) \left(\cfrac{1}{2x} \right) ~dx \\\\ &=& \int_0^1 \{ (1+x^2)^{\frac{1}{2}} \}' ~dx \\\\ &=& \left[ (1+x^2)^{\frac{1}{2}} \right]_0^1 \\\\ &=& \sqrt{2} - 1 \\\\ \end{eqnarray*}

ここで 置換積分により、x=\tan \theta とおくと、x ~:~ 0 \to 1 のとき \theta ~:~ 0 \to \cfrac{\pi}{4} また \cfrac{dx}{d\theta} = \cfrac{1}{\cos^2 \theta} なので、

    \begin{eqnarray*} \int_0^1 \cfrac{x^2}{ (1+x^2)^2 } ~dx &=& \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cfrac{\tan^2 \theta}{ (1+\tan^2 \theta)^2 } ~\cfrac{1}{\cos^2 \theta} ~d\theta \\\\ &=& \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cfrac{\tan^2 \theta}{ (\cfrac{1}{\cos^2 \theta})^2 } ~\cfrac{1}{\cos^2 \theta} ~d\theta \\\\ &=& \int_0^{\frac{\pi}{4}}  \cfrac{\cos^4 \theta \tan^2 \theta}{\cos^2 \theta} ~d\theta \\\\ &=& \int_0^{\frac{\pi}{4}}  \cos^2 \theta \cfrac{\sin^2 \theta}{\cos^2 \theta} ~d\theta \\\\ &=& \int_0^{\frac{\pi}{4}}  \sin^2 \theta ~d\theta \\\\ \end{eqnarray*}

マスマスターの思考回路

三角関数の二乗の積分は、半角の公式を用いて行いましょう。

ここで半角の公式により、

    \begin{eqnarray*} \int_0^{\frac{\pi}{4}}  \sin^2 \theta ~d\theta &=& \int_0^{\frac{\pi}{4}}  \cfrac{1-\cos 2\theta}{2} ~d\theta \\\\ &=& \cfrac{1}{2} \left[ \theta - \cfrac{\sin 2\theta}{2} \right]_0^{\frac{\pi}{4}} \\\\ &=& \cfrac{1}{2} \left[ (\cfrac{\pi}{4} - \cfrac{1}{2}) - 0 \right] \\\\ &=& \cfrac{\pi}{8} - \cfrac{1}{4} \\\\ \end{eqnarray*}

以上により、問題文の定積分の値は

    \begin{eqnarray*} && \cfrac{1}{3} + \cfrac{3\sqrt{2}}{2} -2 + \sqrt{2} - 1 + \cfrac{\pi}{8} - \cfrac{1}{4} \\\\ &=& \cfrac{5\sqrt{2}}{2} + \cfrac{4-3}{12} -3 + \cfrac{\pi}{8} \\\\ &=& \cfrac{5\sqrt{2}}{2} + \cfrac{1-36}{12} + \cfrac{\pi}{8} \\\\ &=& \cfrac{5\sqrt{2}}{2} - \cfrac{35}{12} + \cfrac{\pi}{8} \\\\ \end{eqnarray*}

となります。

プロフィール

-このサイトの記事を書いている人-

某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。

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