公式

【三角関数】三角関数の2倍角の公式の証明

ここでは、三角関数の2倍角の公式の証明を行います。

加法定理の知識が必要になりますので、まずはそちらをしっかり理解しておきましょう。

三角関数の2倍角の公式

    \begin{eqnarray*} \sin 2\alpha &=& 2\sin \alpha \cos \alpha \\\\ \cos 2\alpha &=& 2\cos^2 \alpha -1 = 1 - 2\sin^2 \alpha \\\\ \tan 2\alpha &=& \cfrac{2\tan \alpha}{1-\tan^2 \alpha} \\\\ \end{eqnarray*}

三角関数の2倍角の公式の証明

加法定理より、

    \begin{eqnarray*}\sin(\alpha + \beta) &=& \sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta \\\\\end{eqnarray*}

であり、上式に\beta = \alphaを代入すると、

    \begin{eqnarray*}\sin(\alpha + \alpha) &=& \sin \alpha \cos \alpha + \cos \alpha \sin \alpha \\\\\sin(2\alpha) &=& \sin \alpha \cos \alpha + \sin \alpha \cos \alpha \\\\\end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*} \sin 2\alpha &=& 2\sin \alpha \cos \alpha \\\\ \end{eqnarray*}

が成り立ちます。

また、加法定理より、

    \begin{eqnarray*}\cos (\alpha + \beta) &=& \cos \alpha \cos \beta - \sin \alpha \sin \beta \\\\\end{eqnarray*}

であり、上式に\beta = \alphaを代入すると、

    \begin{eqnarray*}\cos (\alpha + \alpha) &=& \cos \alpha \cos \alpha - \sin \alpha \sin \alpha \\\\\cos (2\alpha) &=& \cos^2 \alpha - \sin^2 \alpha \\\\\end{eqnarray*}

\sin^2 \alpha = 1 - \cos^2 \alphaより、

    \begin{eqnarray*}\cos 2\alpha &=& \cos^2 \alpha - (1 - \cos^2 \alpha) \\\\\end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*} \cos 2\alpha &=& 2 \cos^2 \alpha - 1 \\\\ \end{eqnarray*}

が成り立ちます。

三角比の相互関係式より、上式に\cos^2 \alpha = 1 - \sin^2 \alphaを代入すると、

    \begin{eqnarray*}\cos 2\alpha &=& 2 (1 - \sin^2 \alpha) - 1 \\\\&=& 2 - 2\sin^2 \alpha - 1 \\\\&=& 1 - 2\sin^2 \alpha \\\\\end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*} \cos 2\alpha &=& 1 - 2\sin^2 \alpha \\\\ \end{eqnarray*}

が成り立ちます。

また、加法定理より、

    \begin{eqnarray*}\tan (\alpha + \beta) &=& \cfrac{\tan \alpha + \tan \beta}{1 - \tan \alpha \tan \beta} \\\\\end{eqnarray*}

であり、上式に\beta = \alphaを代入すると、

    \begin{eqnarray*}\tan (\alpha + \alpha) &=& \cfrac{\tan \alpha + \tan \alpha}{1 - \tan \alpha \tan \alpha} \\\\\tan (2\alpha) &=& \cfrac{2\tan \alpha}{1 - \tan^2 \alpha} \\\\\end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*} \tan 2\alpha &=& \cfrac{2\tan \alpha}{1 - \tan^2 \alpha} \\\\ \end{eqnarray*}

が成り立ちます。

以上により、

    \begin{eqnarray*} \sin 2\alpha &=& 2\sin \alpha \cos \alpha \\\\ \cos 2\alpha &=& 2\cos^2 \alpha -1 = 1 - 2\sin^2 \alpha \\\\ \tan 2\alpha &=& \cfrac{2\tan \alpha}{1-\tan^2 \alpha} \\\\ \end{eqnarray*}

が成り立つことが証明されました。

【三角関数】三角関数のまとめ

プロフィール

-このサイトの記事を書いている人-

某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。

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