【基礎知識】乃木坂46の「いつかできるから今日できる」を数学的命題として解釈する
- 命題
基礎知識
公式
ここでは三角比の重要公式である正弦定理についての説明を行います。
正弦定理を理解するには三角比よりも円周角の知識が重要となります。
しかし円周角についての知識は中学数学の内容で事足りますので、きっと理解できることでしょう。
三角形 $ABC$ について、
ただし、 $R$ は三角形 $ABC$ の外接円半径
ここでは、$\cfrac{a}{\sin A} = 2R$ についてのみ証明を行います。
下図のように三角形 $ABC$ に外接する円 $O$ を考えます。

半直線 $BO$ と円 $O$ との交点を $A’$ とし、 $A’$ と $C$ を結ぶと次のようになります。

上図について、三角形 $ABC$ の外接円半径を $R$ とすると、
$$\begin{array}{rcl} BA’ = 2R \end{array}$$また $BA’$ は円 $O$ の直径となるので、
$$\begin{array}{rcl} \angle A’CB = 90^{\circ} \end{array}$$となっています。
ここで、直角三角形 $A’BC$ において、三角比の定義より
$$\begin{array}{rcl} \sin A’ &=& \cfrac{a}{2R} \\\\ \end{array}$$円周角の定理より $A’ = A$ なので、
$$\begin{array}{rcl} \sin A’ &=& \sin A \\\\ \end{array}$$よって、
$$\begin{array}{rcl} \sin A &=& \cfrac{a}{2R} \\\\ \end{array}$$であり、これを変形すると
$$\begin{array}{rcl} \cfrac{a}{\sin A} &=& 2R \\\\ \end{array}$$となります。
下図のように三角形 $ABC$ に外接する円 $O$ を考えます。

半直線 $BO$ と円 $O$ との交点を $A’$ とし、 $A’$ と $C$ を結ぶと次のようになります。

上図について、三角形 $ABC$ の外接円半径を $R$ とすると、
$$\begin{array}{rcl} BA’ = 2R \end{array}$$また $BA’$ は円 $O$ の直径となるので、
$$\begin{array}{rcl} \angle A’CB = 90^{\circ} \end{array}$$となっています。
ここで、直角三角形 $A’BC$ において、三角比の定義より
$$\begin{array}{rcl} \sin A’ &=& \cfrac{a}{2R} \\\\ \end{array}$$円に内接する四角形の性質より、対角の和は $180^{\circ}$ となるので
$$\begin{array}{rcl} A + A’ &=& 180^{\circ} \\\\ A’ &=& 180^{\circ} – A \\\\ \sin A’ &=& \sin ( 180^{\circ} – A ) \\\\ \end{array}$$180° – θの公式より、
$$\begin{array}{rcl} \sin ( 180^{\circ} – A ) &=& \sin A \\\\ \end{array}$$が成り立つので
$$\begin{array}{rcl} \sin A’ &=& \sin A \\\\ \end{array}$$よって、
$$\begin{array}{rcl} \sin A &=& \cfrac{a}{2R} \\\\ \end{array}$$であり、これを変形すると
$$\begin{array}{rcl} \cfrac{a}{\sin A} &=& 2R \\\\ \end{array}$$となります。
以上により、0° < ∠A < 180° のとき
が成り立つことが証明されました。
いかがでしたか?
$\cfrac{a}{\sin A} = 2R$ の証明と同様にして $\cfrac{b}{\sin B} = \cfrac{c}{\sin C} = 2R$ の証明もできますので、ぜひ手を動かして証明してみてください。
【三角比】三角比のまとめ
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-このサイトの記事を書いている人-
某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。
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