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【場合の数】組み合わせの計算方法について

ここでは、組み合わせの計算方法について説明していきます。

組み合わせを理解するには順列の知識が必要となりますので、まずは順列についてしっかり理解しておきましょう。

【場合の数】順列の計算方法について

組み合わせの表し方

異なるn個の中から異なるr個を取り出しときの組み合わせの総数は、

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{C} _r \end{eqnarray*}

と表します。

組み合わせの計算方法

組み合わせの総数は、次の式により求めることができます。

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{C} _r  &=& \cfrac{ {}_n \mathrm{P} _r }{r!} = \cfrac{ n(n-1) \cdots (n-r+1) }{ r(r-1) \cdots 2 \cdot 1} = \cfrac{n!}{r!(n-r)!} \\\\ \end{eqnarray*}

組み合わせの計算方法の証明

順列では、「並べる」という操作が入りますが、組み合わせでは「並べる」という操作は除外されます。

例えば、1, 2, 3の三つの数字について、順列の全ての場合を列挙すると次の6通りがあります。

    \begin{eqnarray*}123\\\\132\\\\213\\\\231\\\\312\\\\321\\\\\end{eqnarray*}

組み合わせでは、上記6つを全て同じものとみなします。
つまり、順列における並び順のパターンを入れ替えたときに、同じ順番になるものはそれを1通りとみなさず、1, 2, 3の三つの数字の組み合わせは、

    \begin{eqnarray*}123\end{eqnarray*}

の1通りのみとなります。

順列{}_n \mathrm{P} _rによって並べられたr個の並び順の総数であるr!{}_n \mathrm{P} _rを割れば、並び方のパターン数を除外できることになりますので、異なるn個の中から異なるr個を取り出しときの組み合わせの総数は、

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{C} _r  &=& \cfrac{ {}_n \mathrm{P} _r }{r!} \end{eqnarray*}

となります。

また、順列と階乗の計算方法そのものにより、

    \begin{eqnarray*} \cfrac{ {}_n \mathrm{P} _r }{r!} = \cfrac{ n(n-1) \cdots (n-r+1) }{ r(r-1) \cdots 2 \cdot 1} \end{eqnarray*}

が成立します。

また、

    \begin{eqnarray*}\cfrac{ n(n-1) \cdots (n-r+1) }{ r(r-1) \cdots 2 \cdot 1} &=& \cfrac{ n(n-1) \cdots (n-r+1) }{ r(r-1) \cdots 2 \cdot 1} \cdot \cfrac{(n-r)(n-r-1) \cdots 2 \cdot 1}{(n-r)(n-r-1)\cdots 2 \cdot 1} \\\\&=& \cfrac{ \{ n(n-1) \cdots (n-r+1) (n-r)(n-r-1) \cdots 2 \cdot 1 \} }{ \{ r(r-1) \cdots 2 \cdot 1 \} \{ (n-r)(n-r-1) \cdots 2 \cdot 1 \} } \\\\&=& \cfrac{ \{n! \} }{ \{ r! \} \{(n-r)! \} } \\\\&=& \cfrac{ n! }{ r! (n-r)! } \\\\\end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*} \cfrac{ n(n-1) \cdots (n-r+1) }{ r(r-1) \cdots 2 \cdot 1} &=& \cfrac{ n! }{ r! (n-r)! } \\\\ \end{eqnarray*}

が成り立ちます。

以上により、

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{C} _r  &=& \cfrac{ {}_n \mathrm{P} _r }{r!} = \cfrac{ n(n-1) \cdots (n-r+1) }{ r(r-1) \cdots 2 \cdot 1} = \cfrac{n!}{r!(n-r)!} \\\\ \end{eqnarray*}

が証明されました。

0を含む組み合わせ

    \begin{eqnarray*}{}_n \mathrm{C} _r  &=& \cfrac{ {}_n \mathrm{P} _r }{r!} \\\\\end{eqnarray*}

上式にr=0を代入すると、

    \begin{eqnarray*}{}_n \mathrm{C} _0  &=& \cfrac{ {}_n \mathrm{P} _0 }{0!} \\\\&=& \cfrac{ 1 }{1} \\\\&=& 1 \\\\\end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{C} _0  &=& 1 \\\\ \end{eqnarray*}

となります。

組み合わせの性質

異なるn個の中から異なるr個を選ぶことは、取り出さないn-r個を選ぶことと同じですので、

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{C} _r  &=& {}_n \mathrm{C} _{n-r} \\\\ \end{eqnarray*}

が成り立ちます。

組み合わせの例題

順列の式と同様に、組み合わせの式自体は難しく感じられるかと思いますが、実際の計算は比較的簡単で、通常は

    \begin{eqnarray*}{}_n \mathrm{C} _r  &=& \cfrac{ n(n-1) \cdots (n-r+1) }{ r(r-1) \cdots 2 \cdot 1} \\\\\end{eqnarray*}

を用いて計算を行います。

例題を通して理解を深めましょう。

(i) {}_5 \mathrm{C} _3

    \begin{eqnarray*}{}_5 \mathrm{C} _3 &=& \cfrac{5 \cdot 4 \cdot 3}{3 \cdot 2 \cdot 1} \\\\&=& 10\end{eqnarray*}

となりますが、

    \begin{eqnarray*}{}_n \mathrm{C} _r  &=& {}_n \mathrm{C} _{n-r} \\\\\end{eqnarray*}

を用いると、少し楽に計算を行うことができます。

    \begin{eqnarray*}{}_5 \mathrm{C} _3 &=& {}_5 \mathrm{C} _{5-3} \\\\&=& {}_5 \mathrm{C} _{2} \\\\&=& \cfrac{5 \cdot 4}{2 \cdot 1} \\\\&=& 10\end{eqnarray*}

組み合わせの説明の終わりに

    \begin{eqnarray*}{}_n \mathrm{C} _r  &=& {}_n \mathrm{C} _{n-r} \\\\\end{eqnarray*}

を用いて、計算を楽に行うことがポイントになります。

\mathrm{C}の後の添字が小さい方が計算が楽になりますので、状況に応じて柔軟に使い分けましょう。

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プロフィール

-このサイトの記事を書いている人-

某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。

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