公式

【場合の数】順列の計算方法について

異なるいくつかの中から異なるいくつかを取り出して一列に並べたものを順列といいます。

ここでは、順列の計算方法について説明していきます。

順列の表し方

異なるn個の中から異なるr個を取り出して一列に並べた場合の順列の総数は、

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{P} _r \end{eqnarray*}

と表します。

特に、異なるn個の中から異なるn個全てを取り出して一列に並べた場合の順列を階乗といい、

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{P} _n &=& n! \\\\ \end{eqnarray*}

と表します。

順列の計算方法

順列の総数は、次の式により求めることができます。

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{P} _r &=& n(n-1)(n-2) \cdots \{n-(r-1)\} = \cfrac{n!}{(n-r)!} \\\\ \end{eqnarray*}

順列の計算方法の証明

1番目に並べるものの選び方は、n通り、
2番目に並べるものの選び方は、残りのn-1個の中から1つ選ぶので、n-1通り、
3番目に並べるものの選び方は、残りのn-2個の中から1つ選ぶので、n-2通り、

    \begin{eqnarray*} \cdot \\ \cdot \\ \cdot \\ \end{eqnarray*}

r番目に並べるものの選び方は、残りのn-(r-1)個の中から1つ選ぶので、n-(r-1)通り、

よって、積の法則より

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{P} _r &=& n(n-1)(n-2) \cdots \{n-(r-1)\} \end{eqnarray*}

が成り立ちます。

上式は、

    \begin{eqnarray*}{}_n \mathrm{P} _r &=& n(n-1)(n-2) \cdots \{n-(r-1)\} \\\\&=& n(n-1)(n-2) \cdots (n-r+1) \\\\&=& n(n-1)(n-2) \cdots (n-r+1) \cdot \cfrac{(n-r)(n-r-1) \cdots 2 \cdot 1}{(n-r)(n-r-1) \cdots 2 \cdot 1} \\\\&=& \cfrac{ n(n-1)(n-2) \cdots (n-r+1) \cdot (n-r)(n-r-1) \cdots 2 \cdot 1 }{ (n-r)(n-r-1) \cdots 2 \cdot 1 } \\\\&=& \cfrac{ {}_{n} \mathrm{P} _{n} }{ {}_{n-r} \mathrm{P} _{n-r} } \\\\&=& \cfrac{ n! }{ (n-r)! } \\\\\end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{P} _r &=& \cfrac{ n! }{ (n-r)! } \\\\ \end{eqnarray*}

が成り立ちます。

以上により、

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{P} _r &=& n(n-1)(n-2) \cdots \{n-(r-1)\} = \cfrac{n!}{(n-r)!} \\\\ \end{eqnarray*}

が証明されました。

0を含む順列

    \begin{eqnarray*}{}_n \mathrm{P} _r &=& \cfrac{n!}{(n-r)!} \\\\\end{eqnarray*}

上式にr=0を代入すると、

    \begin{eqnarray*}{}_n \mathrm{P} _0 &=& \cfrac{n!}{(n-0)!} \\\\&=& \cfrac{n!}{n!} \\\\&=& 1 \\\\\end{eqnarray*}

上式にn=0を代入すると、

    \begin{eqnarray*}{}_0 \mathrm{P} _0 &=& 1 \\\\0! &=& 1 \\\\\end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*} {}_n \mathrm{P} _0 &=& 1 \\\\ 0! &=& 1 \\\\ \end{eqnarray*}

順列の例題

順列の式自体は難しく感じられるかと思いますが、実際の計算は比較的簡単で、通常は

    \begin{eqnarray*}{}_n \mathrm{P} _r &=& n(n-1)(n-2) \cdots \{n-(r-1)\}\end{eqnarray*}

を利用して計算を行います。

例題を通して理解を深めましょう。

(i) {}_5 \mathrm{P} _3

    \begin{eqnarray*}{}_5 \mathrm{P} _3 &=& 5\cdot4\cdot3 \\\\&=& 60 \\\\\end{eqnarray*}

(ii) {}_6 \mathrm{P} _2

    \begin{eqnarray*}{}_6 \mathrm{P} _2 &=& 6\cdot5 \\\\&=& 30 \\\\\end{eqnarray*}

(iii) 4!

    \begin{eqnarray*}4! &=& 4\cdot3\cdot2\cdot1 \\\\&=& 24 \\\\\end{eqnarray*}

順列の計算方法についての終わりに

0を含む順列が具体的にどのような状況かわかりにくいかと思いますが、「並べない」という並べ方を1通りと考えると合点がいくかと思います。

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プロフィール

-このサイトの記事を書いている人-

某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。

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