【基礎知識】乃木坂46の「いつかできるから今日できる」を数学的命題として解釈する
- 命題
基礎知識
公式
ここでは、積分の各種公式についての説明を行っていきます。
計算量の多くなりがちな積分計算ですが、ここ紹介する公式を工夫してうまく使えばかなり計算量を抑えることもができます。
不定積分と定積分で共通する公式や、定積分にのみ成立する公式がありますので、順に見ていきましょう。
本ページでは特に断りのない場合、 $C$ は積分定数を意味します。
目次
$k$ が0でない定数のとき、
$$\begin{array}{rcl} \int kf(x)~dx = k\int f(x)~dx \\\\ \end{array}$$$F'(x) = f(x)$ とすると、定数倍の微分の公式より、
$$\begin{array}{rcl} \{kF(x)\}’ &=& kF'(x) \\\\ &=& kf(x) \\\\ \end{array}$$であり、 $kf(x)$ を $x$ で積分すると、
$$\begin{array}{rcl} \int k f(x)~dx &=& \int \{kF(x)\}’~dx \\\\ &=& kF(x) + C \\\\ &=& k \int f(x)~dx \\\\ \end{array}$$マスマスターの思考回路
よって、
$k$ が0でない定数のとき、
$$\begin{array}{rcl} \int kf(x)~dx = k\int f(x)~dx \\\\ \end{array}$$が証明されました。
$\int f(x)+ g(x)~dx = \int f(x)~dx + \int g(x)~dx$
$F'(x) = f(x), G'(x) = g(x)$ とすると、和の微分の公式より、
$\{F(x)+G(x)\}’$
$= F'(x)+G'(x) $
$= f(x)+g(x)$
であり、 $f(x)+g(x)$ を $x$ で積分すると、
$\int f(x)+ g(x) ~dx $
$= F(x)+G(x) + C $
$= \int f(x)~dx + \int g(x)~dx$
以上により、
$\int f(x)+ g(x)~dx = \int f(x)~dx + \int g(x)~dx$
が証明されました。
不定積分と定積分の違いは、積分区間の有無になります。
したがって定積分のみにおいて成立する公式は、積分区間についての公式となります。
以上により
が証明されました。
以上により
が証明されました。
$\int_a^b f(x) dx + \int_b^c f(x) dx \\$
$= \left[F(x) \right]_a^b + \left[F(x) \right]_b^c \\$
$= (F(b) – F(a) ) + (F(c) – F(b) ) \\$
$= F(c) – F(a) \\$
$= \int_a^c f(x) dx$
よって、
が証明されました。
マスマスターの思考回路
$y = x$ などのように、原点に関して対象な関数を奇関数といいます。
$f(x) = x^{2n-1}$ のとき、
$$\begin{array}{rcl} \int_{-a}^a f(x) dx &=& 0 \end{array}$$以上により、
$f(x) = x^{2n-1}$ のとき、
$$\begin{array}{rcl} \int_{-a}^a f(x) dx &=& 0 \end{array}$$が証明されました。
マスマスターの思考回路
このことは $f(x) = x^{2n-1}$ に限らず、 三角関数の $\sin x$ を含む一般の奇関数( $f(-x) = -f(x) $
がなりたつ $f(x)$)について成り立ちます。
マスマスターの思考回路
$y = x^2$ などのように、 $y $ 軸に関して対象な関数を偶関数といいます。
$f(x) = x^{2n}$ のとき、
$$\begin{array}{rcl} \int_{-a}^a f(x) dx &=& 2\int_{0}^a f(x) dx \end{array}$$また、
$$\begin{array}{rcl} 2\int_{0}^a f(x) dx &=& 2\int_{0}^a x^{2n} dx \\\\ &=& 2\left[x^{2n+1} \right]_{0}^a \\\\ &=& 2(a^{2n+1} – 0^{2n+1}) \\\\ &=& 2a^{2n+1} \end{array}$$以上により、
$f(x) = x^{2n}$ のとき、
$$\begin{array}{rcl} \int_{-a}^a f(x) dx &=& 2\int_{0}^a f(x) dx \end{array}$$が証明されました。
マスマスターの思考回路
このことは $f(x) = x^{2n}$ に限らず、 三角関数の $\cos x$ を含む一般の偶関数( $f(-x) = f(x) $ がなりたつ $f(x)$ )について成り立ちます。
積分計算は通常それなりの労力がかかるものですが、この1/6公式を用いるとあっという間に計算することができます。
使用頻度も高い公式ですのでぜひ使えるようにしておきましょう。
【積分】1/6公式の証明と例題
いかがでしたか?
$-\cfrac{(\beta – \alpha)^3}{6}$ の積分の公式は、積分初学の段階では使う機会の多くないもののように感じられるかと思います。
しかし、これは二つの関数によって挟まれた領域の面積を求める問題などで有用な公式となりますので、ぜひ積極的に活用できるようにしておきましょう。
【数II】微分法と積分法のまとめ
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-このサイトの記事を書いている人-
某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。
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上式の最終行で積分定数 $C$ が消えていますが、これは両辺の積分実行後の積分定数が一致するものと定めることにより起きています。
任意の不定な値がたまたま一致するということにして、積分定数が発生しないように式を簡単にしているというわけです。