高校数学マスマスター

学校や塾では教えてくれない、元塾講師の思考回路の公開

公式

【数II】積分の各種公式の証明

数学の公式

今回は、積分の各種公式についての説明を行っていきます。

不定積分と定積分で共通する公式や、定積分にのみ成立する公式がありますので、順に見ていきましょう。

本ページでは特に断りのない場合、 C は積分定数を意味します。

不定積分・定積分に共通する公式

定数倍の積分の公式

k が0でない定数のとき、

    \begin{eqnarray*} \int kf(x)~dx = k\int f(x)~dx \\\\ \end{eqnarray*}

証明

F'(x) = f(x) とすると、定数倍の微分の公式より、

    \begin{eqnarray*} \{kF(x)\}' &=& kF'(x) \\\\ &=& kf(x) \\\\ \end{eqnarray*}

であり、 kf(x)x で積分すると、

    \begin{eqnarray*} \int k f(x)~dx &=& \int \{kF(x)\}'~dx \\\\ &=& kF(x) + C \\\\ &=& k \int f(x)~dx \\\\ \end{eqnarray*}

マスマスターの思考回路

上式の最終行で積分定数 C が消えていますが、これは両辺の積分実行後の積分定数が一致するものと定めることにより起きています。

任意の不定な値がたまたま一致するということにして、積分定数が発生しないように式を簡単にしているというわけです。

よって、

k が0でない定数のとき、

    \begin{eqnarray*} \int kf(x)~dx = k\int f(x)~dx \\\\ \end{eqnarray*}

が証明されました。

和の積分の公式

    \begin{eqnarray*} \int f(x)+ g(x)~dx = \int f(x)~dx + \int g(x)~dx\\\\ \end{eqnarray*}

証明

F'(x) = f(x), G'(x) = g(x) とすると、和の微分の公式より、

    \begin{eqnarray*} \{F(x)+G(x)\}' &=& F'(x)+G'(x) \\\\ &=& f(x)+g(x) \\\\ \end{eqnarray*}

であり、 f(x)+g(x)x で積分すると、

    \begin{eqnarray*} \int f(x)+ g(x) ~dx &=& F(x)+G(x) + C \\\\ &=& \int f(x)~dx + \int g(x)~dx\\\\ \end{eqnarray*}

以上により、

    \begin{eqnarray*} \int f(x)+ g(x)~dx = \int f(x)~dx + \int g(x)~dx\\\\ \end{eqnarray*}

が証明されました。

定積分のみにおいて成立する公式

不定積分と定積分の違いは、積分区間の有無になります。

したがって定積分のみにおいて成立する公式は、積分区間についての公式となります。

積分区間の幅が0の定積分

    \begin{eqnarray*} \int_a^a f(x) dx &=& 0 \\ \end{eqnarray*}

証明

    \begin{eqnarray*} \int_a^a f(x) dx &=& \left[ F(x) \right]_a^a \\\\ &=& F(a) - F(a) \\\\ &=& 0 \\\\ \end{eqnarray*}

以上により

    \begin{eqnarray*} \int_a^a f(x) dx &=& 0 \\\\ \end{eqnarray*}

が証明されました。

積分区間の入れ替え

    \begin{eqnarray*} -\int_a^b f(x) dx &=& \int_b^a f(x) dx \\\\ \end{eqnarray*}

証明

    \begin{eqnarray*} -\int_a^b f(x) dx &=& -\left[ F(x) \right]_a^b \\\\ &=& -\left[ F(b) - F(a) \right] \\\\ &=& F(a) - F(b) \\\\ &=& \int_b^a f(x) dx \\\\ \end{eqnarray*}

以上により

    \begin{eqnarray*} -\int_a^b f(x) dx &=& \int_b^a f(x) dx \\\\ \end{eqnarray*}

が証明されました。

積分区間の分割

    \begin{eqnarray*} \int_a^b f(x) dx + \int_b^c f(x) dx = \int_a^c f(x) dx \\ \end{eqnarray*}

証明

    \begin{eqnarray*}\int_a^b f(x) dx + \int_b^c f(x) dx &=& \left[ F(x) \right]_a^b + \left[ F(x) \right]_b^c \\&=& (F(b) - F(a) ) + (F(c) - F(b) ) \\&=& F(c) - F(a) \\&=& \int_a^c f(x) dx \\\end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*} \int_a^b f(x) dx + \int_b^c f(x) dx = \int_a^c f(x) dx \\ \end{eqnarray*}

が証明されました。

奇関数の積分

マスマスターの思考回路

y = x などのように、原点に関して対象な関数を奇関数といいます。

f(x) = x^{2n-1} のとき、

    \begin{eqnarray*} \int_{-a}^a f(x) dx &=& 0 \\ \end{eqnarray*}

証明

    \begin{eqnarray*} \int_{-a}^a f(x) dx &=& \int_{-a}^a x^{2n-1} dx  \\\\ &=& \left[ x^{2n} \right]_{-a}^a  \\\\ &=& a^{2n} - (-a)^{2n}  \\\\ &=& a^{2n} - a^{2n}  \\\\ &=& 0  \\\\ \end{eqnarray*}

以上により、

f(x) = x^{2n-1} のとき、

    \begin{eqnarray*} \int_{-a}^a f(x) dx &=& 0 \\ \end{eqnarray*}

が証明されました。

マスマスターの思考回路

このことは f(x) = x^{2n-1} に限らず、 三角関数の \sin x を含む一般の奇関数( f(-x) = -f(x)
がなりたつ f(x))について成り立ちます。

偶関数の積分

マスマスターの思考回路

y = x^2 などのように、 y 軸に関して対象な関数を偶関数といいます。

f(x) = x^{2n} のとき、

    \begin{eqnarray*} \int_{-a}^a f(x) dx &=& 2\int_{0}^a f(x) dx \\\\ \end{eqnarray*}

証明

    \begin{eqnarray*} \int_{-a}^a f(x) dx &=& \int_{-a}^a x^{2n} dx  \\\\ &=& \left[ x^{2n+1} \right]_{-a}^a  \\\\ &=& a^{2n+1} - (-a)^{2n+1}  \\\\ &=& a^{2n+1} + a^{2n+1}  \\\\ &=& 2a^{2n+1}  \\\\ \end{eqnarray*}

また、

    \begin{eqnarray*} 2\int_{0}^a f(x) dx &=& 2\int_{0}^a x^{2n} dx \\\\ &=& 2\left[ x^{2n+1} \right]_{0}^a  \\\\ &=& 2(a^{2n+1} - 0^{2n+1})  \\\\ &=& 2a^{2n+1} \\\\ \end{eqnarray*}

以上により、

f(x) = x^{2n} のとき、

    \begin{eqnarray*} \int_{-a}^a f(x) dx &=& 2\int_{0}^a f(x) dx \\\\ \end{eqnarray*}

が証明されました。

マスマスターの思考回路

このことは f(x) = x^{2n} に限らず、 三角関数の \cos x を含む一般の偶関数( f(-x) = f(x) がなりたつ f(x) )について成り立ちます。

-(β-α)^3/6の積分の公式

    \begin{eqnarray*} \int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) ~dx &=& -\cfrac{(\beta - \alpha)^3}{6} \\\\ \end{eqnarray*}

証明

    \begin{eqnarray*} && \int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) ~dx \\\\ &=& \int_{\alpha}^{\beta} x^2 -(\alpha + \beta)x + \alpha \beta ~dx \\\\ &=& \left[ \cfrac{x^3}{3} -(\alpha + \beta)\cfrac{x^2}{2} + \alpha \beta x \right]_{\alpha}^{\beta}  \\\\ &=& \cfrac{\beta^3 - \alpha^3}{3} -(\alpha + \beta)\cfrac{\beta^2 - \alpha^2}{2} + \alpha \beta (\beta - \alpha)  \\\\ &=& \cfrac{(\beta - \alpha)(\beta^2 +\beta\alpha + \alpha^2)}{3} -(\alpha + \beta)\cfrac{(\beta - \alpha)(\beta + \alpha)}{2} + \alpha \beta (\beta - \alpha)  \\\\ &=& (\beta - \alpha)\left\{ \cfrac{(\beta^2 +\beta\alpha + \alpha^2)}{3} -(\alpha + \beta)\cfrac{(\beta + \alpha)}{2} + \alpha \beta \right\}  \\\\ &=& (\beta - \alpha)\left\{ \cfrac{2(\beta^2 +\beta\alpha + \alpha^2)}{6} -(\alpha + \beta)\cfrac{3(\beta + \alpha)}{6} + \cfrac{6}{6}~\alpha \beta \right\}  \\\\ &=& \cfrac{(\beta - \alpha)}{6} \left\{ 2(\beta^2 +\beta\alpha + \alpha^2) - 3(\beta + \alpha )^2 + 6\alpha \beta \right\}  \\\\ &=& \cfrac{(\beta - \alpha)}{6} \left\{ 2\beta^2 + 2\beta\alpha + 2\alpha^2 - 3\beta^2 - 6\beta \alpha - 3\alpha^2 + 6\alpha \beta \right\}  \\\\ &=& \cfrac{(\beta - \alpha)}{6} ( -\beta^2 + 2\alpha \beta - \alpha^2 ) \\\\ &=& -\cfrac{(\beta - \alpha)}{6} ( \beta^2 - 2\alpha \beta + \alpha^2 ) \\\\ &=& -\cfrac{(\beta - \alpha)}{6} ( \beta - \alpha )^2 \\\\ &=& -\cfrac{(\beta - \alpha)^3}{6} \\\\ \end{eqnarray*}

以上により、

    \begin{eqnarray*} \int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) ~dx &=& -\cfrac{(\beta - \alpha)^3}{6} \\\\ \end{eqnarray*}

が証明されました。

積分の各種公式の説明のおわりに

いかがでしたか?

-\cfrac{(\beta - \alpha)^3}{6} の積分の公式は、積分初学の段階では使う機会の多くないもののように感じられるかと思います。

しかし、これは二つの関数によって挟まれた領域の面積を求める問題などで有用な公式となりますので、ぜひ積極的に活用できるようにしておきましょう。

【数II】微分法と積分法のまとめ

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