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学校や塾では教えてくれない、元塾講師の思考回路の公開

基礎知識

【ベクトル】空間における直線の方程式

【ベクトル】空間における直線の方程式

ここでは空間における直線の方程式について解説します。

空間における直線の方程式は、学習指導要領には含まれていないにも関わらず大学入試問題で必要となることがあります。

教わっていないとしても、すでに教わっている知識のみで空間における直線の方程式を導出することは可能ですので、大学側はそのような人材を求めているということなのでしょう。

初見では面食らってしまって手も足も出ない可能性がありますが、成り立ちさえ知っていれば簡単に対処できるものなので、ぜひ学習しておきましょう。

空間における直線の方程式

空間上の2点 (x_1, y_1, z_1), (x_2, y_2, z_2) を通る直線の方程式は

    \begin{eqnarray*} \cfrac{x-x_1}{x_2-x_1} = \cfrac{y-y_1}{y_2-y_1} = \cfrac{z-z_1}{z_2-z_1} \\\\ \end{eqnarray*}

空間における直線の方程式の証明

マスマスターの思考回路

直線のベクトル方程式を利用して証明を行います。
空間においてもベクトル方程式は平面と同様に扱うことができます。

空間内の直線 AB 上に点 P をとると、媒介変数 s を用いて、

    \begin{eqnarray*} \overrightarrow{OP} &=& \overrightarrow{OA} + s\overrightarrow{AB} \\\\ &=& \overrightarrow{OA} + s(\overrightarrow{OB} - \overrightarrow{OA}) \\\\ &=& (1-s)\overrightarrow{OA} + s\overrightarrow{OB} \\\\ \end{eqnarray*}

ここで、点 A(x_1, y_1, z_1),B(x_2, y_2, z_2) とし、直線 AB 上の点 P の座標を (x, y, z) として、上式を成分表示すると、

    \begin{eqnarray*} (x, y, z) &=& (1-s)(x_1, y_1, z_1) + s(x_2, y_2, z_2) \\\\ &=& ( (1-s)x_1 + sx_2, (1-s)y_1 + sy_2, (1-s)z_1 + sz_2 ) \\\\ \end{eqnarray*}

よって、連立方程式

(1)   \begin{eqnarray*}   \begin{cases} x = (1-s)x_1 + sx_2 \\\\ y = (1-s)y_1 + sy_2 \\\\ z = (1-s)z_1 + sz_2 \\\\   \end{cases} \end{eqnarray*}

から媒介変数 s を削除した結果が、空間における直線の方程式になります。

ここで、

    \begin{eqnarray*} x &=& (1-s)x_1 + sx_2 \\\\ x &=& x_1 + s(x_2 - x_1) \\\\ s(x_2 - x_1) &=& x - x_1  \\\\ s &=& \cfrac{x - x_1}{x_2 - x_1}  \\\\ \end{eqnarray*}

より、(1)式は

    \begin{eqnarray*}   \begin{cases} s = \cfrac{x - x_1}{x_2 - x_1}  \\\\ s = \cfrac{y - y_1}{y_2 - y_1}  \\\\ s = \cfrac{z - z_1}{z_2 - z_1}  \\\\   \end{cases} \end{eqnarray*}

となるので、空間における直線の方程式は、

    \begin{eqnarray*} \cfrac{x - x_1}{x_2 - x_1} = \cfrac{y - y_1}{y_2 - y_1} = \cfrac{z - z_1}{z_2 - z_1} \end{eqnarray*}

であることが証明されました。

マスマスターの思考回路

上の証明では、 x_1 \neq x_2, ~y_1 \neq y_2, ~z_1 \neq z_2 であることを前提としています。
これは仮に、 空間における直線の方程式は

  • x_1 = x_2 のとき、yz 平面に平行な直線
  • y_1 = y_2 のとき、zx 平面に平行な直線
  • z_1 = z_2 のとき、xy 平面に平行な直線

となり、平面の直線の方程式に帰着されるからです。
空間における直線の方程式はこれらに該当しない場合に成立します。

空間における直線の方程式の説明の終わりに

いかがでしたか?

ベクトルに関する基本的な理解さえあれば、空間における直線の方程式は簡単に導くことができることがおわかりいただけたかと思います。

空間における直線の方程式は指導要領に含まれていないので、この公式を使用することのないようにしてください。

その場で証明すれば使用して構わないとは思いますが、証明することが必要ならば公式自体はそもそも覚えていなくても問題ありませんね?

このことについて、詳しくは下の記事をご覧ください。

数学の公式は丸暗記しちゃダメ!公式は覚えるものではなく「証明」して作るものです

繰り返しになりますがこの公式は覚えずに、導出方法自体を覚えておくことにしておきましょう。

【基礎】空間のベクトルのまとめ

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