【基礎知識】乃木坂46の「いつかできるから今日できる」を数学的命題として解釈する
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基礎知識
基礎知識
ここでは空間における直線の方程式について解説します。
空間における直線の方程式は、学習指導要領には含まれていないにも関わらず大学入試問題で必要となることがあります。
教わっていないとしても、すでに教わっている知識のみで空間における直線の方程式を導出することは可能ですので、大学側はそのような人材を求めているということなのでしょう。
初見では面食らってしまって手も足も出ない可能性がありますが、成り立ちさえ知っていれば簡単に対処できるものなので、ぜひ学習しておきましょう。
空間上の2点 $(x_1, y_1, z_1), (x_2, y_2, z_2)$ を通る直線の方程式は
$$\begin{array}{rcl} \cfrac{x-x_1}{x_2-x_1} = \cfrac{y-y_1}{y_2-y_1} = \cfrac{z-z_1}{z_2-z_1} \end{array}$$マスマスターの思考回路
空間内の直線 $AB$ 上に点 $P$ をとると、媒介変数 $s$ を用いて、
$$\begin{array}{rcl} \overrightarrow{OP} &=& \overrightarrow{OA} + s\overrightarrow{AB} \\\\ &=& \overrightarrow{OA} + s(\overrightarrow{OB} – \overrightarrow{OA}) \\\\ &=& (1-s)\overrightarrow{OA} + s\overrightarrow{OB} \end{array}$$ここで、点 $A(x_1, y_1, z_1), $ 点 $ B(x_2, y_2, z_2)$ とし、直線 $AB$ 上の点 $P$ の座標を $(x, y, z)$ として、上式を成分表示すると、
$(x, y, z) $
$=(1-s)(x_1, y_1, z_1) + s(x_2, y_2, z_2) $
$= ( (1-s)x_1 + sx_2, (1-s)y_1 + sy_2, (1-s)z_1 + sz_2 )$
よって、連立方程式
$$\begin{align} \begin{cases} x = (1-s)x_1 + sx_2 \\\\ y = (1-s)y_1 + sy_2 \\\\ z = (1-s)z_1 + sz_2 \end{cases} \end{align}$$から媒介変数 $s$ を削除した結果が、空間における直線の方程式になります。
ここで、
$$\begin{array}{rcl} x &=& (1-s)x_1 + sx_2 \\\\ x &=& x_1 + s(x_2 – x_1) \\\\ s(x_2 – x_1) &=& x – x_1 \\\\ s &=& \cfrac{x – x_1}{x_2 – x_1} \end{array}$$より、(1)式は
$$\begin{array}{rcl} \begin{cases} s = \cfrac{x – x_1}{x_2 – x_1} \\\\ s = \cfrac{y – y_1}{y_2 – y_1} \\\\ s = \cfrac{z – z_1}{z_2 – z_1} \end{cases} \end{array}$$となるので、空間における直線の方程式は、
であることが証明されました。
マスマスターの思考回路
上の証明では、 $x_1 \neq x_2, ~y_1 \neq y_2, ~z_1 \neq z_2$ であることを前提としています。
これは仮に、 空間における直線の方程式は
となり、平面の直線の方程式に帰着されるからです。
空間における直線の方程式はこれらに該当しない場合に成立します。
いかがでしたか?
ベクトルに関する基本的な理解さえあれば、空間における直線の方程式は簡単に導くことができることがおわかりいただけたかと思います。
空間における直線の方程式は指導要領に含まれていないので、この公式を使用することのないようにしてください。
その場で証明すれば使用して構わないとは思いますが、証明することが必要ならば公式自体はそもそも覚えていなくても問題ありませんね?
このことについて、詳しくは下の記事をご覧ください。
数学の公式は丸暗記しちゃダメ!公式は覚えるものではなく「証明」して作るものです
繰り返しになりますがこの公式は覚えずに、導出方法自体を覚えておくことにしておきましょう。
【基礎】空間のベクトルのまとめ
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-このサイトの記事を書いている人-
某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。
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直線のベクトル方程式を利用して証明を行います。
空間においてもベクトル方程式は平面と同様に扱うことができます。