基礎知識

【複素数平面】複素数の偏角の求め方

ここでは偏角の求め方について説明していきます。

偏角とは

実軸の正の部分と、複素数 z と原点 O を結ぶ線分とのなす角 \theta偏角といいます。

偏角の求め方

例題1

例として、複素数 z = 1 + \sqrt{3}~i の偏角を求めてみましょう。

複素数平面上に z = 1 + \sqrt{3}~i を図示すると下のようになります。

偏角の求め方

この図の \theta が偏角です。

\tan の定義より、

    \begin{eqnarray*} \tan \theta &=& \cfrac{\sqrt{3}}{1} \\\\ &=& \sqrt{3} \\\\ \end{eqnarray*}

なので、 偏角 \theta

    \begin{eqnarray*} \theta = 60 ^\circ \end{eqnarray*}

となります。

例題2

次は、複素数 z = -\cfrac{1}{2} + \cfrac{1}{2}~i の偏角を求めてみましょう。

先の例と同様に図示を行うと、下のようになります。

偏角の求め方

\tan の定義より、

    \begin{eqnarray*} \tan \theta &=& \cfrac{\cfrac{1}{2}}{-\cfrac{1}{2}} \\\\ &=& -1 \\\\ \end{eqnarray*}

なので、 偏角 \theta

    \begin{eqnarray*} \theta = 135 ^\circ \end{eqnarray*}

となります。

一般の偏角

ここまでの例を見てわかるように、偏角は \tan を用いて求めることができていますね。

一般に次のことが成立します。

複素数 z=a+b~i の偏角を \theta とすると、

    \begin{eqnarray*} \tan \theta = \cfrac{b}{a} \end{eqnarray*}

が成立します。

複素数の偏角の求め方の説明のおわりに

いかがでしたか?

偏角は複素数それ自体というよりも三角比の知識が要求されますので、三角比をしっかり理解しておく必要があります。

【三角比】三角比のまとめ

ここで学んだ偏角の求め方を用いて、次は偏角の公式を用いた偏角の演算について学びましょう。

【複素数平面】複素数の偏角の公式

プロフィール

-このサイトの記事を書いている人-

某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。

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