基礎知識

等比数列とその一般項

ここでは等比数列とは何か、式としてどう表すかといったところの説明を行います。

等差数列については下の記事を参考にしてください。

等差数列とその一般項

等比数列とは

一定の数を次々にかけて得られる数列を等比数列といいます。

マスマスターの思考回路

このあたりは言葉で説明するよりも、実例を見た方がわかりやすいかと思います。

次に等比数列の例をいくつか挙げてみましょう。

等比数列の例

次のような数列はすべて等比数列であるといえます。

例1

$$\begin{array}{rcl} 2, 4, 8, 16, … \end{array}$$

例2

$$\begin{array}{rcl} 3, 9, 27, 81, … \end{array}$$

例3

$$\begin{array}{rcl} 4, 4, 4, 4, … \end{array}$$

マスマスターの思考回路

例1では2ずつ、例2では3ずつ、例3では1ずつ、一定の数を次々にかけて得られる数を並べたものとなっています。このような数列を等比数列といいます。

等比数列の初項・交比

ここまでで、等比数列がどのようなものであるかは理解できたかと思います。

次は等比数列がどう作られるかについて考えましょう。

等比数列を一意に決定する要素として、次の二点が挙げられます。

  1. 最初の数が何か
  2. 数をいくつずつかけるか

例えば、最初の数を2, かけていく数を3としましょう。
このとき、次の等比数列が得られます。

$$\begin{array}{rcl} 2, 6, 18, 54, … \end{array}$$

つまり、最初の数と加えていく数を決めれば、等比数列が具体的に決まるということになりますね。

この最初の数を初項、加えていく数を交比といい、上の数列は、初項 2、交比 3 の等比数列であると言います。

等比数列の一般項

一般項とは数列の第 $n$ 番目が何になるかを意味するものです。

先の例の数列を $\{a_n\}$ とおくと、

$$\begin{array}{rcl} \{a_n\} : 2, 6, 18, 54, … \end{array}$$

であり、 $a_1$ から $a_4$ までを書き下すと、

$$\begin{array}{rcl} a_1 &=& 2 \\\\ a_2 &=& 6 \\\\ a_3 &=& 18 \\\\ a_4 &=& 54 \\\\ \end{array}$$

となりますが、ここで $a_2$ が $6$ であるのは、 $a_1 (= 2)$ に対し、交比である $3$ を1回かけたからです。

同様に、$a_3$ は交比を2回、$a_4$ は交比を3回かけたものになりますので、それがわかるように書き下し直すと、

$$\begin{array}{rcl} a_1 &=& 2 * 3^0 \\\\ a_2 &=& 2 * 3^1 \\\\ a_3 &=& 2 * 3^2 \\\\ a_4 &=& 2 * 3^3 \\\\ \end{array}$$

となります。

マスマスターの思考回路

$a_1$ は交比を0回かけたものと考えています。
上のように書くと数字の規則性が見えてくるでしょう。

0乗の値は1となりますが、これについては指数法則を参照してください。

$a$ の添字から1を引いた値が交比にかけられていることがわかるので、この等比数列の第 $n$ 番目である $a_n$ は、

$$\begin{array}{rcl} a_n &=& 2 * 3^{n-1} \\\\ \end{array}$$

と表すことができます。

そして、上式の2と3はそれぞれ初項と交比を意味しています。

ここまでの結果を一般化すると、等比数列 $a_n$ の一般項は次のように与えられることとなります。

初項 $a$ 、交比 $r$ の等比数列の一般項は

$$\begin{array}{rcl} a_n &=& ar^{n-1} \\\\ \end{array}$$

等比数列とその一般項の説明のおわりに

いかがでしたか?

等差数列の一般項が理解できていれば、等比数列についても同様に理解できたことと思います。

基本的な数列は、等差数列と等比数列の二種の数列になりますので、これらの知識を用いてさらに先の内容に進んで行きましょう。

【数列】数列のまとめ

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プロフィール

-このサイトの記事を書いている人-

某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。

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