解法

【早稲田大学の入試問題を解説!】2018年度入試 基幹理工・創造理工・先進理工 数学[II]

2018年度早稲田大学 基幹理工・創造理工・先進理工 入試 数学[II]
の解説を行います。

それでは問題を見てみましょう。

2018年度早稲田大学 基幹理工・創造理工・先進理工 入試 数学[II]

2018年度早稲田大学 基幹理工・創造理工・先進理工 入試 数学[II](1)

マスマスターの思考回路

まずは図をかきましょう。
与えられた式では概形がわからないため、$y$について解きます。

曲線については直線といくつの交点を持つか不明ですので、まずは直線だけを図にし状況を進展させましょう。

与えられた二直線と曲線をそれぞれ$l, m, C$とします。

まずは$l, m$を図に表します。

$$\begin{array}{rcl} x-y+1=0 \\\\ 3x+y-5=0 \end{array}$$

を$y$について解くと、

$$\begin{array}{rcl} y&=&x+1 \\\\ y&=&-3x+5 \end{array}$$

となります。これを図にすると、下のようになります。

2018年度入試 基幹理工・創造理工・先進理工 数学[II]

マスマスターの思考回路

この図に曲線を追加したいのですが、平方完成して概形を求める方法では曲線と直線の位置関係がわかりません。先に曲線と直線の交点を求めましょう。

$x^2+2x+4y+5=0$に、$y=x+1$を代入すると、

$$\begin{array}{rcl} x^2+2x+4(x+1)+5&=&0 \\\\ x^2+6x+9 &=& 0 \\\\ (x+3)^2 &=& 0 \\\\ x &=& -3 \end{array}$$

$x=-3$を$y=x+1$に代入すると、$y=-2$となり、$l$と$C$の交点は、$(-3, -2)$となります。

$x^2+2x+4y+5=0$に、$y=-3x+5$を代入すると、

$$\begin{array}{rcl} x^2+2x+4(-3x+5)+5&=&0 \\\\ x^2-10x+25 &=& 0 \\\\ (x-5)^2 &=& 0 \\\\ x &=& 5 \end{array}$$

$x=5$を$y=-3x+5$に代入すると、$y=-10$となり、$m$と$C$の交点は、$(5, -10)$となります。

マスマスターの思考回路

$C$は$l, m$にともに接する曲線であることがわかりました。
上記二つの交点で$C$が$l, m$に接するような概形になればよいということから$C$を図に追加することができます。
図は次のようになります。

2018年度入試 基幹理工・創造理工・先進理工 数学[II]

マスマスターの思考回路

$l, m, C$で囲まれた部分は曲線部分が存在しているので、積分によって面積を求めます。
このとき、直線$l, m$の交点を境にして被積分関数が変わりますので、交点座標を求めておきましょう。

$$\begin{array}{rcl} x-y+1=0 \\\\ 3x+y-5=0 \end{array}$$

を解くと、$x=1, y=2$より、$l, m$の交点は$(1, 2)$となります。

マスマスターの思考回路

これにより$x=1$で積分区間を分割して面積を求めればいいということになりますね。

また$C$を$y$について解くと、

$$\begin{array}{rcl} y&=&-\cfrac{1}{4}x^2-\cfrac{1}{2}x-\cfrac{5}{4} \end{array}$$

となるので、求める面積は、

$ \int_{-3}^1 (x+1) – (-\cfrac{1}{4}x^2-\cfrac{1}{2}x-\cfrac{5}{4}) dx + \int_{1}^5 (-3x+5) – (-\cfrac{1}{4}x^2-\cfrac{1}{2}x-\cfrac{5}{4}) dx \\$
$= \int_{-3}^1 \cfrac{1}{4}x^2 + \cfrac{3}{2}x + \cfrac{9}{4} dx + \int_{1}^5 \cfrac{1}{4}x^2 -\cfrac{5}{2}x + \cfrac{25}{4} dx \\$
$= \int_{-3}^1 \cfrac{1}{4}(x^2 + 6x + 9) dx + \int_{1}^5 \cfrac{1}{4}(x^2 -10x +25) dx \\$
$= \int_{-3}^1 \cfrac{1}{4}(x+3)^2 dx + \int_{1}^5 \cfrac{1}{4}(x-5)^2 dx \\$
$= \cfrac{1}{4} \left[ \int_{-3}^1 (x+3)^2 dx + \int_{1}^5 (x-5)^2 dx \right]\\$
$= \cfrac{1}{4} \left[ \cfrac{1}{3} \left[ (x+3)^3 \right]^{1}_{-3} + \cfrac{1}{3} \left[ (x-5)^3 \right]^{5}_{1} \right]\\$
$= \cfrac{1}{12} \left[ (4^3 – 0) + (0-(-4)^3) \right]\\$
$= \cfrac{1}{2^2\cdot3 } \left[2\cdot4^3\right] \\$
$= \cfrac{1}{2^2\cdot3 } \left[2^7\right] \\$
$= \cfrac{2^5}{3 } \\$
$= \cfrac{32}{3 }$

となります。

2018年度早稲田大学 基幹理工・創造理工・先進理工 入試 数学[II](2)

マスマスターの思考回路

該当する$(a, b)$の個数はたかが知れているので、しらみつぶしに求めていけばよいでしょう。
$l, m, C$の境界部分で$x$座標が整数であるものを求め、図に追加していきます。

2018年度入試 基幹理工・創造理工・先進理工 数学[II](2)

上図より、

$$\begin{array}{rcl} (a, b) &=& (0, 0), (0, -1), \\\\ &&(1, 1), (1, 0), (1, -1), \\\\ &&(2, -2), (2, -3) \end{array}$$

の7個となります。

この記事が気に入ったら
「いいね」しよう!

プロフィール

-このサイトの記事を書いている人-

某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。

検索