【基礎知識】乃木坂46の「いつかできるから今日できる」を数学的命題として解釈する
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基礎知識
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証明の手段の一種として背理法というものがあります。
背理法は、ある事柄を直接的に証明することが難しい場合に特にその力を発揮します。
押してもダメなときは、背理法を使って引いてみるのも良いかもしれません。
今回は背理法について、実例を交えて解説していきます。
ある事柄に対し、その事柄が成り立たないことを仮定して矛盾を導くことにより、ある事柄が成り立つことを示す証明法を背理法といいます。
背理法を用いる例として有名なのが、ある数が無理数であることを証明するような場合です。
実際に背理法を使って、が無理数であることを証明してみましょう。
マスマスターの思考回路
が有理数だと仮定すると、互いに素な自然数を用いて、
と表すことができます。両辺を二乗すると、
となり、両辺にをかけると、
(1)
となります。(1)式の左辺はの倍数なので、右辺もの倍数となります。
がの倍数であればもの倍数なので、自然数を用いて、と表すことができます。
これを(1)式に代入すると、
(2)
(2)式の右辺がの倍数なので、左辺もの倍数となります。
がの倍数であればもの倍数になりますが、が共にの倍数であることになってしまい、が互いに素であることに矛盾します。
この矛盾はが有理数だと仮定したことによって起きてしまいましたので、つまりは有理数であってはいけないことになります。
よって、が無理数であることが証明されました。
【基礎】集合と命題のまとめ
-このサイトの記事を書いている人-
某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。
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背理法を用いるときは、まず結論を否定してください。
今回は「無理数である」ことが結論になっていますが、その否定は「無理数でない」つまり「有理数である」となります。
しかし、「有理数である」ことを断言してしまうわけにはいきませんので、「有理数であると仮定する」のです。