基礎知識

【基礎知識】定積分の説明とその例題

今回は不定積分に積分区間という範囲を設けた、定積分について解説していきます。

定積分とは

関数 f(x) の原始関数の一つを F(x) とするとき、F(b)-F(a)f(x)a から b までの定積分といい、

    \begin{eqnarray*} \int_a^b f(x) dx \end{eqnarray*}

と表します。

マスマスターの思考回路

a から b まで」のような積分に設けられた範囲を積分区間といいます。

また、F(b)-F(a)

    \begin{eqnarray*} \left[ F(x) \right]_a^b \end{eqnarray*}

と表します。

つまり、

    \begin{eqnarray*} \int_a^b f(x) dx = \left[ F(x) \right]_a^b = F(b) - F(a)\\ \end{eqnarray*}

が成り立ちます。

定積分の例題

一つ例題を扱ってみましょう。

    \begin{eqnarray*} \int_{-1}^{2} x^2 dx \\ \end{eqnarray*}

を計算せよ。

解答例

マスマスターの思考回路

まずは x^2 の原始関数の一つを求めましょう。

x^2 の原始関数の一つは

    \begin{eqnarray*} \cfrac{1}{2+1} ~ x^{2+1} &=& \cfrac{1}{3} ~ x^{3} \\\\ \end{eqnarray*}

となるので、

    \begin{eqnarray*} \int_{-1}^{2} x^2 dx &=& \left[\cfrac{1}{3} ~ x^{3} \right]_{-1}^{2} \\\\ \end{eqnarray*}

となります。

マスマスターの思考回路

上式の右辺の x に2を代入した式から-1を代入した式を引くことにより、定積分の計算結果が求められます。

よって、

    \begin{eqnarray*} \int_{-1}^{2} x^2 dx &=& \left[\cfrac{1}{3} ~ x^{3} \right]_{-1}^{2} \\\\ &=& \cfrac{1}{3} ~ (2)^{3} - \cfrac{1}{3} ~ (-1)^{3} \\\\ &=& \cfrac{8}{3} ~  + \cfrac{1}{3} \\\\ &=& \cfrac{9}{3} \\\\ &=& 3 \\\\ \end{eqnarray*}

となります。

定積分の説明のおわりに

いかがでしたか?

今回は定積分とは何かについての基礎的な説明となりましたが、定積分をそのまま実行しようとすると非効率的な計算を行ってしまうことになる場合が多くあります。

そのような場合には計算ミスが発生するリスクも高まりますので、やみくもに定積分を実行することは避けるようにすることが懸命といえるでしょう。

定積分に関する各種公式を学ぶことによって、より効率的な定積分計算を行えるようになりますので、そちらもぜひ身につけておくようにしましょう。

【数2】積分の各種公式の証明

【数II】微分法と積分法のまとめ

プロフィール

-このサイトの記事を書いている人-

某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。

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