【基礎知識】乃木坂46の「いつかできるから今日できる」を数学的命題として解釈する
- 命題
基礎知識
基礎知識
ここでは基本的な最大公約数と最小公倍数の求め方についてと、少し応用的な問題を、例題を通じて説明していきます。
複数の正の整数について、共通する約数のうち最大のものを最大公約数、共通する倍数のうち最小のものを最大公約数といいます。
例題を通じて、最大公約数と最小公倍数を求め方を理解していきましょう。
$360$ と $3780$ の最大公約数と最小公倍数を求めよ
マスマスターの思考回路
マスマスターの思考回路
それぞれの素因数分解結果を照らし合わせ、共通する素因数を全て取り出すことにより、最大公約数が得られます。
最大公約数は
$$\begin{array}{rcl} 2^2 \cdot 3^2 \cdot 5^1 &=& 4 \cdot 9 \cdot 5 \\\\ &=& 180 \\\\ \end{array}$$マスマスターの思考回路
それぞれの素因数分解結果を照らし合わせ、素因数分解の過程で登場した素数 $(2, 3, 5, 7)$ に着眼し、累乗の数が多い方を取り出すことにより、最小公倍数が得られます。
( $360$ は素因数 $7$ を持ちませんが、それは素因数 $7$ を $0$ 個持っていると考えましょう。 )
最小公倍数は
$$\begin{array}{rcl} 2^3 \cdot 3^3 \cdot 5^1 \cdot 7^1 &=& 8 \cdot 27 \cdot 5 \cdot 7 \\\\ &=& 7560 \\\\ \end{array}$$最大公約数が $180$ 、最小公倍数が $7560$ である $2$ 数を求めよ
求める $2$ つの数を $a, b ~(a < b)$ とおき、最大公約数が $180$ であることから、
$$\begin{array}{rcl} a &=& 180a’ \\\\ b &=& 180b’ \\\\ \end{array}$$(ただし、 $a’, b’ ~(a’ < b’)$ は互いに素な自然数)
【整数】互いに素とは
と表せます。
また、最小公倍数が $7560$ であることから、
$$\begin{array}{rcl} 7560 &=& 180a’b’ \\\\ \end{array}$$マスマスターの思考回路
$2$ 数の最小公倍数は、対象とする $2$ 数の最大公約数に、 対象とする $2$ 数に共通しない素因数( $a’$ と $b’$ )をかけたものになるということを用いています。
上式を約分すると、
$$\begin{array}{rcl} 42 &=& a’b’ \\\\ \end{array}$$となります。
$a’, b’$ は互いに素な自然数なので、積が $42$ となる $(a’, b’)$ の組み合わせを全て書き出すと次のようになります。
これらのうち、 $a’ < b’$ を満たすのは
$$\begin{array}{rcl} (a’, b’) = (1, 42), (2, 21), (3, 14), (6, 7) \end{array}$$となるので、
$$\begin{array}{rcl} (a, b) = (180, 7560), (360, 3780) ,\\\\ (540, 2520), (1080, 1260) \end{array}$$以上により、最大公約数が $180$ 、最小公倍数が $7560$ である $2$ 数は
$$\begin{array}{rcl} (180, 7560), (360, 3780) , \\\\(540, 2520), (1080, 1260) \end{array}$$となります。
いかがでしたか?
ここで紹介した応用問題にあるように、最大公約数や最小公倍数を方程式として扱えるようになることが大切です。
また、「互いに素」は、整数問題について特に重要な概念ですので、しっかり理解しておくようにしましょう。
【基礎】整数の性質のまとめ
この記事が気に入ったら
「いいね」しよう!
-このサイトの記事を書いている人-
某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。
>> お問い合わせ
>> プライバシーポリシー
素因数分解を行いましょう。