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基礎知識

【基礎知識】二次方程式の解と判別式について

二次方程式の解の判別式

中学数学までは二次方程式の解の公式を使うと、機械的に、必ず二次方程式の解を求めることができました。

しかし高校数学を勉強していくと、二次方程式の解の公式を用いても解が求まらない場合があり、このとき、その方程式の解はないと結論づけるようになります。

解がないとは何なのでしょうか?
どんなときに解がないのでしょうか?

今回は二次方程式の解について詳しく説明していきます。

二次方程式の解がないとは

まず二次方程式の解の公式をおさらいしましょう。

二次方程式の解の公式

ax^2+bx+c=0 ~(ただし、a\neq0)に対し、解は次の式で与えられます。

    \begin{eqnarray*} x=\cfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \\\\ \end{eqnarray*}

二次方程式の解がないという状況は、解の公式が等式として成立していない場合に発生します。

どのような場合に解の公式は成立しないのでしょうか?

例えば、\sqrt{d} = e(ただしd<0)という式を考えます。 この式の両辺を二乗すると、d=e^2となります。

しかしこれは等式として成立しません。 その理由は両辺の式の値の正負にあります。

dははじめにd<0であることにしていましたので、dは負になります。 一方、e^2eの正負は不明ですが、二乗していますので、正または0になります。

つまり、d=e^2は「負の数=正または0」であることを意味してしまっています。

そんな式はおかしいですよね? こんなおかしな式が導かれてしまった原因は、d<0である状況を考えてしまったことにあります。(d<0でなければd=e^2であることを否定する理由はありませんよね?) つまり根号の中身が負の数である場合を考えると、等式が成立しなくなるのです。

ここで、二次方程式の解の公式を再掲します。

    \begin{eqnarray*}x=\cfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \\\\\end{eqnarray*}

解の公式には\sqrt{b^2-4ac}という部分が含まれていますので、b^2-4ac < 0 のとき、解の公式は成立しない、つまり解はないことになります。

解がないのは「実数の範囲内で」のことです

今まで「解はない」という表現を使い続けてきましたが、それは「実数の範囲内であれば」という条件つきになります。

実数とは、有理数と無理数の集合のことであり、今までの常識として使ってきた数は全て実数になります。

先に述べたとおり、根号の中身が負の数である場合を考えると、等式が成立しなくなります。
このような数は今までの常識からは外れているので、そのような数を認めることができません。
しかし計算上そうなってしまうことがあるのは事実です。

そこで、今までの常識に当てはまらない数は実数ではない何らかであるということにして、実数とは分けて扱うのです。

よって、b^2-4ac < 0のとき、「解はない」というのは、「実数解はない」という表現が正しいということを覚えておきましょう。

二次方程式の解があるかないかは判別式が決定する

判別式は一般にD(discriminant(判別)の頭文字D)という文字で表し、

    \begin{eqnarray*} D=b^2-4ac \end{eqnarray*}

と定義されます。

b^2-4acとはつまり、二次方程式の解の公式の根号の中身の式のことです。

先に述べたとおり、b^2-4ac<0とき、解の公式は成立しません(実数解がない)。 どうやらb^2-4acという式の値が二次方程式の解の有無について重要なようなので、これをDという文字一つで表そうということです。 つまり判別式D<0のとき、その二次方程式の実数解はないと判断します。

二次方程式の解がないわけではないときは解はある

D<0のときには実数解はないことがわかりました。 すると、あたり前のことですが、D\geqq0のときには実数解があることになります。 次に問題になるのは、実数解があるときに、それが具体的にどういう解なのかということです。 D\geqq0を次の二つの場合に分けてみましょう。

  • D>0の場合
  • D=0の場合

D>0のとき

今は実数解があるときのことを考えているので、二次方程式の解の公式は成立している状況になります。
よって、このときの解は二次方程式の解の公式そのものです。

つまり解は、

    \begin{eqnarray*}x=\cfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \\\\\end{eqnarray*}


です。

\pmがあるので、二種類の解を持つことがわかるかと思います。
このとき、その二次方程式は、異なる二つの実数解を持つといいます。

D=0のとき

D=b^2-4ac=0なので、解は、

    \begin{eqnarray*}x&=&\cfrac{-b\pm\sqrt{0}}{2a} \\\\x&=&\cfrac{-b}{2a} \\\\\end{eqnarray*}

となります。
\pmが消えてしまいましたね?
二次方程式が実数解をもつとき、通常は二つの解を持つのですが、この場合はx=\cfrac{-b}{2a}ただ一つになります。
このときのたった一つの解を重解と呼び、その二次方程式は、重解を持つといいます。

判別式により二次方程式の実数解の個数を調べることができる。

ここまでの結果のまとめになりますが、判別式によって、その二次方程式が実数解を持つかどうかを調べることができることがわかりました。
さらに、実数解をもつ場合を細分化すると、その実数解の個数までもがわかることになるのです。

判別式についてまとめると、

D>0のとき、異なる二つの実数解を持つ。(実数解2個)
D=0のとき、重解を持つ。(実数解1個)
D<0のとき、実数解を持たない。(実数解0個)

となります。

判別式の値による解の個数の仕分けは高校数学全般において非常に重要な役割を担うことになります。
結果だけでなく、なぜそうなるのか、その意味までもしっかり理解しておきましょう。

【基礎】二次関数のまとめ

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