【基礎知識】乃木坂46の「いつかできるから今日できる」を数学的命題として解釈する
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基礎知識
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平方完成は二次方程式の解の公式の導出や、二次関数の頂点を求める際に必要となる式変形の方法です。
平方完成は通常の四則演算のような手順とは全く異なる手順で進んでいくので、初めて平方完成を学んだ時にはあっけにとられてしまうかもしれません。
ここでは、平方完成の方法を順を追って説明していきます。
平方完成とは、
$$\begin{array}{rcl} ax^2+bx+c \end{array}$$という式を
$$\begin{array}{rcl} ax^2+bx+c &=& a(x-p)^2+q \end{array}$$の形に変形することをいいます。
$2x^2-12x+22$という式を例として、平方完成の手順について説明していきます。
まず、$x^2$の係数で$x^2$と$x$を含む項をくくります。
$$\begin{array}{rcl} 2x^2-12x+22 &=& 2(x^2-6x) + 22 \end{array}$$この手順が重要になります。次のようにしてください。

上の式変形は一つの手順内に5つもやらなければならないことがありますが、この5つを同時に行って初めて一つの式が完成します。
なぜこのようにすればよいかは後述します。
最後に、下の式の赤線部だけを計算します。

$2(x-3)^2 -2(-3)^2 + 22 \\$
$= 2(x-3)^2 -2(9) + 22 \\$
$= 2(x-3)^2 -18 + 22 \\$
$= 2(x-3)^2 + 4$
$2(x-3)^2 + 4$は式の形としては$a(x-p)^2+q$の形になっているので、これで平方完成ができたことになります。
よって、$2x^2-12x+22$を平方完成すると、
$$\begin{array}{rcl} 2x^2-12x+22 = 2(x-3)^2 + 4 \end{array}$$となります。
上の手順に従えば平方完成はできるのですが、手順2のような式変形がなぜ成り立つのかについて、途中式を交えて詳しく見ていきたいと思います。
まず、平方完成というのはかっこの2乗の形にすることが目的ですから、$x^2-6x$を無理やりその形に変形するということになります。
そのために、下の展開の公式を利用します。
$$\begin{array}{rcl} (x-a)^2 = x^2 -2ax + a^2 \end{array}$$上の式を変形すると、
$$\begin{array}{rcl} x^2 -2ax = (x-a)^2 – a^2 \end{array}$$となります。これを用いると、
$2(x^2-6x) + 22 = 2\{ (x – 3)^2 – (-3)^2 \} + 22$
と変形する事ができ、中括弧の前にある2を$(x – 3)^2$と$- (-3)^2$に分配すると、
$2\{ (x – 3)^2 – (-3)^2 \} + 22 = 2(x – 3)^2 – 2(-3)^2 + 22$
と変形する事ができます。
以上により、
$2(x^2-6x) + 22 = 2(x – 3)^2 – 2(-3)^2 + 22$
となるので、下のような手順2の変形を行えば、途中計算を省いて即座にかっこの2乗の形に変形できるということになります。

いかがでしたか?
平方完成を行うにはとにかく慣れが必要です。
係数に文字が含まれていたとしても、素早く正確に平方完成を行える事が要求されますので、十分に練習を重ねてください。
【基礎】二次関数のまとめ
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-このサイトの記事を書いている人-
某国立大工学部卒のwebエンジニアです。
学生時代に塾講師として勤務していた際、生徒さんから「解説を聞けば理解できるけど、なぜその解き方を思いつくのかがわからない」という声を多くいただきました。
授業という限られた時間の中ではこの声に応えることは難しく、ある程度の理解度までに留めつつ、繰り返しの復習で覚えてもらうという方法を採らざるを得ないこともありました。
本ブログでは「数学の問題を解くための思考回路」に重点を置いています。
それらを通じて自らの力で問題を解決する力が身につくお手伝いができれば幸いです。
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